「なんでこんなにしんどいんだろう」「寝ても疲れがとれない」──そんなふうに感じることはありませんか?
原因がはっきりしないまま続くしんどさに、不安をおぼえる人も少なくありません。
ときには「甘えているだけかな」「気のせいかも」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
でも、それは誤解です。甘えや気のせいではなく、医学的には脳や体が疲れている状態と考えられています。ここではわかりやすく“心の疲れ”と表現しますね。
ストレスやプレッシャーが積み重なれば、心も体も限界に近づき、「もう無理…」と感じてしまうのは自然なこと。
あなたが弱いのではなく、ただ心が疲れているだけなのです。
心が疲れているサインとは?|身体・行動・感情にあらわれる変化
「自分の状態って普通?それとも心が疲れてるの?」と迷うときは、サインに目を向けてみましょう。
心の疲れは、身体・行動・感情 の3つの側面にあらわれやすいと言われています。
身体に出るサイン
- 眠れない、夜中に何度も目が覚める
- いくら寝ても疲れがとれない
- 食欲がない、または食べすぎてしまう
- 頭痛や肩こり、胃の不快感が続く
行動に出るサイン
- やる気が出ず、仕事や家事に手がつかない
- 人と会うのが億劫、外出を避けがちになる
- 動作が遅くなる、反応が鈍くなる
- お酒やスマホに頼る時間が増える
感情・思考に出るサイン
- ささいなことでイライラしやすい
- ずっと不安で落ち着かない
- 集中できず、好きだったことにも興味が持てない
- 「自分が悪い」と責めてしまう
こうした状態が続いているとき、決して「自分が弱いから」ではありません。
心が疲れているサインに、あなたが気づけただけでも大切な第一歩です。
心の疲れを放置するとどうなる?“限界サイン”に気づくことが大切
心の疲れをそのままにしておくと、つらさがどんどん深まってしまうことがあります。
「もう無理」「限界かも」と感じるころには、すでに うつや適応障害のような状態 になっていることもあります。
厚生労働省も「症状が2週間以上続く場合は、専門家に相談を」と呼びかけています。
心や体の不調が長引くほど、生活や人間関係への影響も大きくなり、回復に時間がかかることもあります。
ストレスを一人で抱え込まず、
「これって大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたときには、早めに気づいて行動することが、自分を守る第一歩になります。
心の疲れをやさしくケアする方法|無理せずできるセルフケア習慣
心が疲れているときは、「休んだほうがいい」と頭では分かっていても、実際に休むのは難しいものです。
仕事を休むと罪悪感がわいたり、「自分だけサボっている」と感じてしまったり…。
だからこそ、まずは 「今の自分は疲れているんだ」と認めて、休むことを自分にゆるすこと から始めてみましょう。
そのうえで、できそうなら少しずつセルフケアの習慣を取り入れてみてください。
- 残業を減らす、休む日を予定に書き込む
- 趣味や「自分のための時間」をスケジュールに入れる
- 信頼できる人や相談窓口に話す
「弱音を吐くのは迷惑かな」とためらうかもしれませんが、話すことでしか心が軽くならないこともあります。
また、気持ちが沈むときには、こんなおうちでできる小さな行動もおすすめです。
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大切なのは、「これなら無理なくできそう」と思えるセルフケアを少しずつ続けること。
その積み重ねが、「もう無理」となる前に、あなたの心を守る対処法になってくれます。
“ツライ・もう無理”と思う前に、自分を守る第一歩を
心が疲れているサインに気づけたことは、それだけで大切な一歩です。
「疲れていいんだ」「弱いわけじゃない」と、まずは安心して受けとめてください。
そして、「まだ頑張れる」と追い込むのではなく、
「少し休もう」「誰かに話してみよう」と、自分を守る選択をしてみてください。
もし疲れがとれない日々が続くときは、信頼できる人や専門家に相談することも立派な対処法です。
無理をしないで、今できる小さな一歩を重ねていくこと。
それが「もう無理」となる前に、あなたの心を守る力になってくれます。
今日、このあとほんの5分でもいいので、自分のために休む時間をゆるしてあげてください。
その小さな一歩が、これ以上つらさを深めないための大切な行動になります。