やる気が出ないときに試したい3つの行動|心理学の“作業興奮”でやる気を引き出す

セルフケア・ハウツー

「やる気がでない…」そんな日は誰にでもあります。
やらなきゃと思っても体が動かず、自己嫌悪に陥ってしまうこともあるかもしれません。

でも実は、やる気は”待つ”ものではなく、小さな行動から生まれるもの。
心理学者エミール・クレペリンが提唱した「作業興奮」という考え方をヒントにすれば、少しずつ動き出せるきっかけが見つかります。

やる気が出ないのは自然なこと|その原因と受け止め方

「やらなきゃ」と思っているのに、体が動かない。そんなときありますよね。
やる気が出ないのは決して珍しいことではなく、むしろ誰にでもある自然なことです。

理由はいろいろあります。
たとえば睡眠不足。夜遅くまでスマホを見てしまった翌日、頭がぼんやりして、やる気どころか集中すらできないこともあります。
あるいは仕事や勉強のストレス。やるべきことが山積みだと、プレッシャーが大きすぎて逆に動けなくなることもあります。
また、将来への不安や心配事があると、「やって意味があるのかな」と気持ちが止まってしまうことも。

つまり「やる気が出ない」には、それなりの背景や理由があるのです。
まずは「自分が弱いから動けない」と責めずに、「ちょっと休みが必要なんだ」と受け止めることから始めましょう。

「作業興奮」とは?小さな行動から始めるやる気を出す方法

少しむずかしく聞こえるかもしれませんが、意味はシンプルです。
「作業興奮」とは、ドイツの心理学者エミール・クレペリンが提唱したもので、小さな作業を始めると脳が刺激され、やる気が後から湧いてくるという現象です。

つまり「やる気があるから動く」のではなく「動いたからやる気がでる」。
このアプローチを意識すると、無理なく一歩を踏み出せます。

たとえば「掃除を始めたら、気づけば家中を片付けていた」という経験はありませんか?
最初のきっかけは小さくても、体が動き始めると脳が活性化し、気分も乗っていく。
これが作業興奮です。

「休む」ことも大切ですが、もし少し動けそうなら、ほんの小さい行動をきっかけにしてみましょう。

やる気が出ないときに試せる3つの対処法

「やる気が出ないとき、何をすればいいんだろう…?」
そんなときに無理なくできる、小さな行動を3つ紹介します。

①机を片付ける・本を1ページ開く
最初の一歩は「これだけでいいの?」と思うくらい小さな行動で大丈夫。
机の上を軽く片付ける、本を1ページだけ開く。そんな些細な動作でも脳は刺激され、次の行動につながりやすくなります。

在宅ワーク中に机の上を整えただけで気分がリセットされ、「もう少し作業を進めてみようかな」と思えたという経験がある方もいるのではないでしょうか。
勉強中なら、問題集を1ページ、開いて眺めることだけでも構いません。手を動かすことで、次のステップに移りやすくなります。

②「1分だけ」タイマーをかけて動く
「1時間作業しよう」と思うとハードルが高すぎます。そこでおすすめなのが「1分だけ」方式。
タイマーをセットして、その間にパソコンを立ち上げたり、ノートを開いたりするだけで十分です。
「1分ならできる」と思って始めてみると、意外とそのまま流れに乗れることがあります。
たとえば仕事ならメールを1通だけ整理する、勉強前ならノートを開いてタイトルだけ書いてみる。
わずかな動きでも「始めたから続けようかな」という気持ちが自然に生まれてきます。

ポイントは「結果を出すこと」ではなく「始めること」。
それだけで、やる気を呼び込むスイッチになります。

③体を動かす(伸び・深呼吸・水を飲む)
頭が重たいときは、体からアプローチするのも効果的。
椅子から立ち上がって背伸びをする、深呼吸をする、水を一杯飲む。
たったこれだけでも気持ちは切り替わります。

・仕事中なら、肩や首をぐるっと回すだけで血流がよくなり、頭がスッキリ。
・勉強前なら、立ち上がって軽くストレッチするだけで集中モードに。
・夜なら、白湯やハーブティーを飲むことでリラックスでき、気持ちが整いやすく。

体を少し動かすことは、脳への「リセット信号」になります。
考えすぎて動けないときほど、体を少し動かすことがリズムを取り戻すきっかけになります。

まとめ:小さな一歩がやる気を連れてくる

やる気がでないことは、誰にでもある自然なゆらぎです。
自分を責めずに、休むこともひとつの大切な選択肢。

それでも「少しだけやってみようかな」と思えたときには、机を片付ける、1分だけ動く、深呼吸する。そんな小さな行動で十分です。

その一歩が「作業興奮」を生み出し、やる気は後からやってきます。
そして、たとえ今日は動けなかったとしても大丈夫。
明日また、小さな一歩を踏み出せばいいのです。

今日もし「やる気が出ないな」と感じたら、できそうなことをひとつだけ。
それがやがて、大きな流れを作っていきます。

めぐ

書くことで、気持ちが少し整う。
日々のゆらぎや、暮らしの中でふと気づいたことを言葉にしています。
noteでは、心に寄り添うエッセイを。
こころノートでは「ちょっと楽になる」きっかけになるような内容を発信しています。
言葉の力で、ハートをつなげることができたらうれしいです。

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